
私が6〜7年前に上海を訪れていた頃は
新天地がオープンしたばかりで、昔ながらの石庫門建築を生かしたカフェやショップに、こぞって観光客が押し掛けていたものです。
田子坊なんて地名は正直こちらに赴任してから知ったのですが、聞くところによるとどうやら新天地を凌ぐ上海の人気スポットとなりつつあるそう。というわけで先週末行ってきました。
欧米列強が上海のあちこちに租界を切り拓いていく中、この田子坊は上海の一般市民が暮らす下町エリアとして残りました。1990年代までこの一帯は周囲の開発をよそに、道路すら満足に舗装されておらず、一雨降れば道路が泥だらけになるような地区でした。建物と言えば古い町工場や倉庫、そして雑居住宅。。。
1998年に地区政府の再開発計画により、多くの芸術家達がこの地の古工場や倉庫を改造してアトリエを構えるようになり、芸術地区として後の田子坊の基盤が形成されていきました。
その後芸術小物のショップだけでなく、2007年頃からは急激にカフェやレストランなど飲食店も増えてきて、ますます居心地のいいエリアに変貌しつつあります。

一時の開発がひと段落した新天地に対して、こちら田子坊はまだまだ隣接エリアで土埃を巻き上げながらお店が増殖していく過程にあります。
お店の多くは古い建物の1階部分を改築するだけなので、大規模な開発が必要な新天地と違って、田子坊の増殖スピードはしばらく衰える気配がありません。今上海で最も熱いスポットと言えるでしょう。
古い建物や古い路地をそのまま生かしているので、田子坊一帯はまるで迷路のよう。その迷路のあちこちに細々したお店が建ち並んでいるわけで、じっくり見て回ろうと思えば1日あっても足りないはずです。
エリア内には白いランニングを着たおじさんが夕涼みしていたり、裸の上半身を汗で光らせたおにいちゃんがリヤカーを引いていたり、昔と変わらない生活をしている上海人の姿も垣間見られます。そんな新旧が渾然一体となった雰囲気もこの田子坊の魅力です。